教えてまもるくん12
第12回 水抜き孔って?
教えてまもるくん第11回『擁壁のセルフチェック』であった「水抜き孔」 について解説します!!
- 擁壁と「水抜き孔」の関係性
擁壁の設置や構造などに関する技術的基準は、宅地造成及び特定盛土等規制法(旧:宅地造成等規制法)施行令によって定められ、その第10条により「壁面の面積3平方メートル以内ごとにすくなくとも1個の、内径7.5センチメートルの水抜き孔」の設置が義務付けられています。
しかし、水抜き孔がなかったり、細いパイプしか通されてなかったりする古い既存擁壁がそのまま使われている宅地も少なくありません。
- 「水抜き孔」がないとどうなってしまうのか
水抜き孔がないことによって、地中の水分量が多くなり、地盤が軟弱化したり、擁壁の外側へ押し倒そうとする圧力が高まったりします。積まれた石やブロックの隙間から水が染みだすことで、経年劣化による強度が低下することもあるでしょう。
外見上は問題ない場合でも、擁壁に水抜き孔がなければ、専門家の調査を受けるなどの慎重な対応が望まれます。
- 「水抜き穴」の維持管理も重要
水抜き孔はあっても、その裏側の処理が不適切な場合、想定外の劣化を招くことがあります。擁壁全体を注意深くチェックして、異常な水抜き孔がないか確認する必要があります。
水抜き孔の塩ビパイプが破損していることも多いのですが、道路に面した擁壁では、水抜き孔に空き缶などが差し込まれていることもよく見かける光景です。
水抜き孔が詰まれば、本来の機能を失うことにもなりかねません。
- 「水抜き孔」から流れる水にも要注意
水抜き孔から流れる水にも注意が必要です。
水が異常な色をしていたり、孔の回りに異物がこびりついていたりする場合、敷地の土壌に何らかの問題がある可能性も考えられます。異常を感じた場合は、事故が起こる前に専門家に相談をしてください。