教えてまもるくん14
第14回 やばい擁壁!!工事内容と費用は?【作り替える編】
老朽化する擁壁は増加する一方で、安全に対する明確な基準がないため、いつ・どの程度の補修・補強対策が必要か分からず、所有者の安全対策が出来ないということが現状です。
老朽化した擁壁の安全対策の方法として、A既存の擁壁を壊して新しく擁壁を作り替える方法とB既存の擁壁を補修工事して使い続ける方法の2種類があります。今回は、Aの擁壁の作り替えるをする方法の「工事内容」と「工事金額(あくまでも参考)」をお伝えします。
新しく擁壁を作り替える工事の内容は下記です。
①擁壁築造にかかる工事
②足場設置 ※擁壁の高さにる
③既存擁壁の撤去工事
④運搬・廃棄物処理
また、工事費用は、「擁壁の種類」「擁壁の大きさ」、さらに、「擁壁を設置する環境や立地」などにより、金額が大きく異なります。
環境や条件によって価格が変動するためあくまで参考ですが、擁壁を築造するだけでも1㎡あたり10万円前後かかります。
例えば、高さ5m、横20m=面積100㎡の新設擁壁の場合は、上記の①擁壁築造にかかる工事の費用のみで1,000万円前後かかります。
さらに作業員が作業するための②足場設置の費用や③既存擁壁の撤去工事の費用、④運搬費・廃棄物処理費などがかかり、大掛かりな費用が必要になります。
工事を行う条件によっては工事期間が1年以上かかる場合もあり、施工する場所がかなり狭い場所ではそもそも工事を辞退されるケースも少なくありません。
合わせて、新設擁壁を施工する際に建築基準法に反している不適格擁壁でないかどうかの確認が必要です。例えば、間知ブロックを垂直に築造する、2段擁壁になっている、地盤調査は適切に行っているかなど。
加えて・・・
『施工される工事会社に実績があるか?』
『資格所有者は在籍しているか?』
『設計士による設計か?』
など、工事を依頼する工事会社として安心して設計・施工してもらえるかどうかを確認する必要があります。
工事会社による工事責任は2年間程度となっています。そのため、擁壁を作った後に施工不良などを発見した場合は、2年以内に工事会社に伝える必要があります。いずれにしても、擁壁を新しく作り替える場合には費用と時間に合わせて見えない労力がかかります。
次回はそこまで対応できない方向けに、B既存の擁壁を補修工事して使い続ける方法をお伝えします!