教えてまもるくん15
第15回 やばい擁壁!!工事内容と費用は?【補修編】
擁壁の作り替えたいけど、予算や時間がない方、必見!!
第14回「やばい擁壁!!工事内容と費用は?【作り替える編】」でご説明したA既存の擁壁を壊して新しく擁壁を作り替える方法に続いて、今回、第15回では、B既存の擁壁を補修工事して使い続ける方法として、既存の擁壁を補修、補強工事を行い安全対策をする方法をお伝えします。
第14回「やばい擁壁!!工事内容と費用は?【作り替える編】」をまだ見ていない方は以下よりご覧ください。
前回お伝えしたとおり、老朽化する擁壁は増加する一方で、安全に対する明確な基準がないため、いつ・どの程度の補修・補強対策が必要か分からず、所有者の安全対策が出来ないということが現状です。
実は・・・補修、補強工事を行う場合の1番のポイントは、まず、既存の擁壁の状態を確認することです。擁壁の詳細調査を行うことにより、擁壁の種類や状態に合わせて補修・補強工事を行うことができます。
擁壁の補修工事は種類や状態により異なりますが、参考までに補修工事の内容と金額の目安を記載します。
①ひび割れ補修:3万円~/m程度
ひび割れには、「注入工法」と呼ばれるひび割れ部分へ専用補修材を注入することで補修することが可能です。
また、構造物の広い範囲にまでひび割れが及ぶケースでも有効に機能する方法です。
②水抜き孔設置工事:3万円程度/1箇所
水抜き孔がない場合や擁壁に設置されてある水抜き孔の個数が少ない場合に、機械によって穴をあける方法です。
③石積補強工事:4万円~10万円程度/㎡
石積み接着工法による補強工事は、特殊充填剤を注入する事で高強度・高接着力により長寿命化を図る事ができることが、国土交通省により認められた方法です。
間知ブロック積擁壁・空石積擁壁の場合は、モルタル注入する工法によって補修することが可能です。また、狭い箇所での施工ができ、建て替えより安価でできることが特徴です。
上記のように、擁壁の作り替えよりも費用と時間を削減できるのが補修、補強工事の特徴です。
ここまで既存擁壁の補修工事について解説してきましたが、特にご注意いただきたい2点についてお話しておきます。
1:擁壁は、専門業者に相談することが重要
擁壁の安全性のチェックシートを分かりやすくまとめたものがあります。しかし、自分で判断せず、専門業者に相談すべきです。
擁壁が崩壊し、第三者に影響があった場合のリスクを考えると、擁壁を軽視せず早めに専門業者に意見を貰いましょう。
2:擁壁は早めに対応する方がお得
擁壁は早めに対応するのがお得だという点です。
擁壁にひび割れや擁壁が膨らんでいる(孕み)などの形状の変化が確認できる場合などは、軽微であれば補修・補強で済みます。
先ほど、解説した通り補修・補強の費用が安いですが、やり直しとなれば、莫大なコストがかかります。
早め早めの対応が、結果的には費用を安く抑えることができ、お得です。
既存の古い擁壁の安全性を確認し、必要であれば、擁壁の修繕・補強、やり直しを検討すべきです。