教えてまもるくん07
第7回 擁壁に関しての各自治体の取り組み
国土交通省は、宅地耐震化推進事業において、この取り組みを支援しています。大地震時等における滑動崩落や液状化による宅地の被害を軽減するため、変動予測調査を実施し、住民への情報提供等を図っています。同時に、対策工事に必要な費用に対して補助も行っています。また、自治体によっては、擁壁の調査を進めたり、相談窓口を設置しているところもあります。
例えば、地形的に擁壁が多い横浜市の事例です。
『擁壁のはなし』
https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kenchiku/takuchi/kento/kizonyouheki.files/0006_20210702.pdf
『横浜市崖地【防災】対策工事助成金制度について(令和5年度)』
https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kenchiku/bosai/gake/safe.html
擁壁は、所有者責任のため、万が一事故が発生した場合には、所有者が補修や賠償を負うことになります。その為、自治体による補助等が手厚い地域もありますので、お住まいの地域での取り組みを調査してみてはいかがでしょうか?
ただし、自治体側でも「専門家」はいない為、まずは自ら所有する擁壁を確認することが必要です。
その際には、国土交通省作成の宅地擁壁老朽化を判断するための『宅地擁壁老朽化判定マニュアル(案)』や『我が家の擁壁チェックシート(案)』や自治体で作成された資料をチェックリストとして利用してみるのも良いでしょう。
【参考】東京都〜既存擁壁の安全確保についてお宅の擁壁は大丈夫ですか?〜https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/tamakenchikushidou/pdf/140929_anzen.pdf
上記のマニュアルを含めた、国の方針についての記事(「教えてまもるくん第6回 擁壁に関しての国の方針」)も、本サイトに掲載しておりますので、下記のリンクよりぜひご覧ください。
ただし、『我が家の擁壁チェックシート(案)』では、下記、4種の擁壁が宅地に含まれる場合は、本来適さないものとされております。
- 空石積み擁壁
- 増積み擁壁
- 2段擁壁
- 張出し床板付擁壁
変状がなくても構造上の問題について専門家に相談することを勧めています。さらに、変状がみられる場合は非常に危険な状態ですので、早急な対応が必要です。
各自治体ごとに擁壁事故の被害を軽減することを目的として、擁壁の調査推進を進めています。しかし、令和4年4月に国土交通省が発表した『宅地擁壁老朽化判定マニュアル(案)』も、あくまでも(案)となっており、明確な安全性の基準が無いのが現状です。