教えてまもるくん09

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第9回 擁壁がある土地の建築

擁壁がある土地の建築における代表的な注意点をご紹介します。

  • 1:擁壁が不適格擁壁ではないか?

現行の建築基準法では高さ2m以上の擁壁を作る際には確認申請が義務付けられています。
不適格擁壁とは、建築基準法の施行前に作られたか、あるいは何らかの事情で確認申請が行われていない擁壁のことを指します。
例えば、売主が検査済証などを持っていない場合でも、役所などで調べてもらうと、過去の確認申請書が見つかり、適正に調査を行えば合法性が認められることもあります。
要するに、根拠となる適切な書類を確認することが大切です。

  • 2:地盤は大丈夫か?

擁壁を作る際には擁壁の周りを掘削する必要があります。
もちろん、掘削した後にそのスペースに土を埋戻しするのですが、埋戻しした後の地盤が以前より弱くなっていることがあります。
家を建てる場合、地盤の弱さが原因で建物が不同沈下を起こす可能性があります。造成地のような新しい擁壁に家を建てた場合に、擁壁の重みによって擁壁自体が沈下する可能性もあります。
つまり、新しい擁壁があるからといって、必ずしも安心という訳でもありません。掘削や埋め戻しの影響を考慮し、慎重に建設する必要があります。建物や擁壁の沈下は、地盤の状態や構造物の重みなど、さまざまな要因が影響するため、専門的な調査や対策が必要です。

  • 3:擁壁が2m(メートル)以下の場合にも注意

高さが2m以下の擁壁の場合には、確認申請を提出する必要も、検査を受ける必要もありません。
構造計算なども行わず、適正かどうかの判断をしなくても作れるため、強度が弱いものになっている場合があります。

  • 4:二段擁壁・増積み擁壁に注意

二段擁壁とは、近接して二段で築造された擁壁を指します。増積み擁壁とは、すでにある擁壁の上にブロック造などを使用して擁壁を築造したものです。
これらの擁壁については、どちらも法律上、必要な手続きや構造計算を行なっていないと思われます。また、確認申請の際に安全の証明がしにくい擁壁です。
基本的に、このような擁壁のある土地は造成工事が必要になることがあります。

参考までに福岡県の資料です。既存擁壁がある土地で建築を検討されている方は参考にしてください。

参考:福岡県〜既存擁壁に近接する土地で建物を計画している皆様へ〜
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/673777_61637049_misc.pdf

各種手続きなどには、地域ごとに異なる規制が存在するため、具体的な情報は地元の自治体や関連機関に確認することが重要です。
大丈夫かな?と思ったら近くの専門家に相談してください。

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