教えてまもるくん05

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第5回 擁壁種類別の安全性は?

擁壁と建物は密接した関係にあります。
擁壁は、設計士が地面の固さや土の量などを計算して、安全なサイズで作られています。その計算の時に、土の重さと別に1tの重さまで支えられるように計算されています。この1tの重さは家の重さです。現在の設計基準における家が1t以下とされているので、1tで計算されていますが、現実では木造2階建ての家で0.5tから2t程度の重さと言われています。そのため、土と家の重さに耐えられなくなった擁壁や別の要因で擁壁が動いてしまうことがあります。擁壁が動いてしまうと、土を支えきれなくなるので、陥没したり、ひび割れたりと、宅地に変状が出てきます。これを「不同沈下(不規則な陥没)」といいます。不同沈下が起きると家が傾いたり、ひび割れたりします。その症状から守るために、家の下に杭を打ったり、地面が動かないように固めたりすることを、「地盤補強」といいます。

家の重さとは別に、擁壁の種類により擁壁の強度は変わってきます。

現在の設計に基いて作られているものは、土圧の計算がされているので強度は強いですが、現在の設計に基づいていない擁壁は強度不足で壊れる危険があります。

代表的なものが次の種類です。

・空石積擁壁
・大谷石積擁壁
・CB塀(擁壁ではないものを使っている)

これらは、設計根拠もなく作られているものが多く、事故の発生の可能性があります。

次に、当初は設計擁壁だったが、年月とともに状況が変わり、設計外の擁壁になってしまったものがあります。

代表的なものが次の種類です。

・2段擁壁(擁壁の上に段状に擁壁を作っているもの)
・増積み擁壁(擁壁の上に擁壁を積み増ししているもの)

この2種類は非常に多く存在していますが、設計根拠などがほとんどないため、危険擁壁になっています。

上記に記載した擁壁は国土交通省からも注意喚起が発表されております。

国道交通省 宅地擁壁ページ
https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_tobou_tk_000060.html

このような強度不足の擁壁や当初と仕様が変わっている擁壁は、危険ですので、専門家に調査を依頼して、対策が必要になってきます。
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